会社の事業を別の会社に移動させる方法として、会社分割や事業譲渡が考えられます。
しかし、会社分割や事業譲渡に関する詳しい知識を持たれている方は少なく、多くの経営者の方がお悩みになっています。
このページでは、事業再生に関連するテーマのなかから、会社分割と事業譲渡の違いについてご説明いたします。
■会社分割とは
会社分割とは、会社の事業を切り分け、別会社に移すことをさします。
ここでいう事業とは、「一定の営業目的のため組織化され、有機的いったいとして機能する財産」をさします(最判昭和40/9/22)。
より平易な言葉にすると、取引先との関係や雇用している従業員、設備などを組み合わせ、利益を生じさせるものを、事業として捉えています。
会社分割には、既存の他社に事業を継承させる吸収分割と、会社を新設してその会社に事業を承継させる新設分割の2つの方法があります。
会社分割により事業を承継した会社は、その対価として株式等を分割した会社に交付します。
事業再生における会社分割の活用としては、不採算部門を切り分け、他社に吸収分割するケースなどがあります。
■事業譲渡とは
事業譲渡とは、会社の事業を別会社に譲渡(売却)することをさします。
事業譲渡を行うなかでも、その会社の事業の全てを譲渡する場合と、重要な事業を譲渡する場合には、株主総会の特別決議が必要になります。
また、事業を譲り受ける側も、ある会社の事業の全てを譲り受ける場合に、株主総会の特別決議が必要になります。
事業再生における事業譲渡の活用としては、不採算事業や収益力があるがシナジーのない事業を他社に譲渡し、選択と集中を図るケースなどがあります。
■会社分割と事業譲渡の違い
事業を他の会社に移動するという点では、会社分割と事業譲渡はよく似たものですが、違いもあります。
例えば、事業の譲渡の対価について、会社分割の場合は事業の譲渡の対価が株式という形をとることができますが、事業譲渡の場合は金銭によるのが一般的です。
また、会社分割では会社組織を丸ごと切り分けるため、一部の例外を除いて必要な許認可を新たに取り直す必要がないというメリットがあります。
事業譲渡は譲り受ける側が個人であっても可能ですが、会社分割はその性質上会社である必要があります。
その他、権利義務関係の手続きについて、事業譲渡は債権者保護のため各債権者の承諾が必要ですが、会社分割では承諾を要せずに権利義務関係を承継することができます。
会社分割と事業譲渡のどちらの手続きを選択すべきかどうかについては、具体的な事業の状況、キャッシュフロー、債権債務の状態などを精査して判断する必要があります。
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会社分割と事業譲渡はどう違うか
株式会社東京事業再生ERが提供する基礎知識
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