業績不振の際、「前向きな廃業」も検討を
「倒産」と「前向きな廃業」の違いとは
会社経営が傾きかけてしまった時、そのままズルズル資金が減っていくのを待って倒産するのではなく、早めに活かせる部分を活かしたうえで廃業手続きをおこない、 少なくとも家族や財産は守る必要があります。
その時期を見極めることが、経営者としての最後の仕事と言えるでしょう。
「倒産」と「廃業」。似ている2つの語句ですが、その先を見据えているかどうかという大きな違いがあるのです。
現状を知るために、「財務格付チェックシート」を活用
会社経営に欠かせない「お金」について、果たして銀行から借り入れができるのかどうかを知っておくことも重要です。銀行は、返済能力がないと判断したら貸してはくれません。
東京事業再生ERが、長年のコンサルタント経験と銀行を熟知したノウハウによって作成した「財務格付チェック表」で、銀行の基準についておおまかな予測ができます。
廃業にしても継続にしても、まずは現況を正しく知ることが第一歩なのです。
経営者の方へ
リスケ企業の事業再生は、「腐ったバナナの処置」に例えることができます。
すなわち、「腐ったバナナ」は常温で放置すればするほど黒ずみ腐っていきます。慌てて皮を剥いて中身を取り出しても、各所が黒ずみ腐っているものです。何とか食べようとして、腐っている部分をナイフで削ぎ落とし、食べれる部分だけ残しても、長い間放置し続けたバナナほど食べれる部分は少ないのであり、全部捨てることも往々にあります。
実際問題、リスケ企業40万社の経営実態は程度の差こそあれ、皆「腐ったバナナ」の状態であり、常温(現状)で放置すればするほど中身(事業価値)は加速度的に腐っていくのです。食べれる部分(生かせる事業・財産)を本気で残すには、経営者自らが腹をくくって皮を剥き腐った部分(不採算事業・財産)をナイフで削ぎ落とし続けるしかないのです。
そんな簡単な原理は、小学生でも理解できることです。
にも関わらず、政府の事業再生支援策は「腐ったバナナを常温のまま、皮を剥かずに再生せよ!」と、できもしないことを認定支援機関の税理士先生方に期待しているのが実状で、そのような研修を全国の税理士先生に行っているのが、寂しい現状です。正直、これでは残せるものも残せないし、生かせるものも生かせないのです。ましてや税理士の先生方は税務のプロであって、事業再生分野についてはまったくの初心者です。これは私の事業再生セミナー講師と再生支援の経験から断言できます。
本当の事業再生支援の勘所は、煮え湯を飲むほどの倒産を経験した者にしかわからないものなのです。
「腐ったバナナ」の処置は、経営者が勇気を振り絞り、皮を剥くところからすべてが始まるのであり、事業再生支援者の本質的な使命は、「会社の存続にこだわらず、事業の存続のため、経営者に厳しい決断を迫ること」と言えます。それゆえ私は、自らの倒産・裁判経験、現在の支援経験で培った事業再生の勘所を赤裸々にお伝えし、リスケ企業が本気で再生を果たすには、「廃業」を前提としなければ何も始まらないということを誤解を怖れずお伝えするものです。
どうか、この弊社との出逢いが、リスケ企業の経営者の勇気になり変わることを心から願っております。